作品タイトル「シルエット-つむじかぜ-」
村田 佳彦 作
H15cm・W11cm・D5cm

◎シルエット ーつむじかぜー

○素材 漆・カエデ

○制作技法 削り出し、塗り立て

・無垢のカエデの木を削り出し、木地を制作している

・下地には蒔地(まきぢ)を3回、施している
※「蒔地」とは、木地に漆を塗り、その漆が乾かないうちに地の粉を全体にふりかけ、
乾燥後、さらにその上から漆で塗り固めていく下地技法。

・黒漆を4回塗り込み(下塗り、中塗り、小中塗り、上塗り)、
最後の上塗りは塗り立てで仕上げている。
※「塗り立て」とは、黒漆をチリや刷毛目の無いように丁寧に塗り、
ゆっくり乾燥させ、そのまま完成とする塗り技法。
表面を鏡面に磨いたりはせず、マットな漆黒で、より自然な仕上がりとなる

○作品について…
「シルエット」という作品のシリーズは、
学生の時、黒の漆を初めて見て、まるで「かげ」のようだなと感じた印象(日本古来の美意識である陰影)をテーマとし、
私が日々の生活の中で感じた、自然の一瞬の美しさ、その感覚を形にした作品である。

今回の出品作品『シルエット ーつむじかぜー』は、
ある夜、激しい風が吹きつけ、「ピュー」という音が聞こえてきた。
その時の風の音が、作品のモチーフとなっている。


それでは、よろしくお願いいたします。

村田 佳彦